Monday, September 06, 2004

だましだまされ、まただまし。

アパートの外で友達と話していると近くに住んでいるらしい女の子がやってきた。
明日朝仕事に行くのにあの騒音は困る、あれはあなたたちが出しているのか、と彼女は怒っていた。どこかから聞こえているステレオの事を聞いてきた。
僕らは知らないと答えて、結局違う部屋の住人だとわかったけど、その後彼女と議論好きの僕のルームメイトは政治の話をしだしてしまった。だれに投票するか、という話から始まってアメリカについて。この選挙前の時期ではこの話題はよくあるものなのだろうけど、僕は彼女の言動に正直驚かされた。基本的に彼女はブッシュに投票する、と言っていた。まずその時点でブッシュに入れる人は正しい知識を得られるチャンスが無い人なのかと思っていたから、まさか現役の大学生が投票を考えているとは思わなかった。
さらに、彼女はアメリカの先制攻撃についてもしょうがない、と答えていた。911でアメリカは大きな痛手を生んだから、これ以上自分の国が攻撃されるとわかっているなら先に攻撃してしまっていい、と彼女は言っていた。
スペイン人の僕のルームメイトは洗脳されている、とその彼女を見て盛んに言っていた。僕も彼に同意だ。そんな事を本気で言っていることが信じられなかった。
たしかにアメリカに暮らしている人は911の恐怖で感情的な考え方になりやすいのはわかる。僕だって日本がいきなりどこかの国からテロを受けたら、被害者意識の塊になるかもしれない。でも、やられたから、次はやられる前にやっておく、というのはどうなんだろう。そうしたら勝手な言いがかりをつけて戦争を始められる。それは何度も大きな戦争をしてきた人間のやることではない。

アメリカは大量破壊兵器のとき発見されない時期が長引くことを逆手にとって?論点をずらそうとして政権へのダメージを軽減しようとしたり、過去色々な国に言い掛かりをつけて侵攻したことだって、アメリカ国民にしてみれば必要な事だった、という話になったり・・・。やりたい放題だ。日本もそうだが、国のために働くべき政治家が国民をうまいように誘導して彼らをいいように操る。悲しい事だけど事実だ。 政治に文句を言わない国民には直接的な責任を問えないと思う。政府がやることを信じるようになっているからだ。一つの環境で育てば、そこ以外にある視点を持つ事はとても難しい。ただ、そこから先は個人問題で、例えば個人が政府にだまされてしまうことは良くないし、悲しい。わかっていても利権がからんで何も言わないのも悲しいけど。

僕は今アメリカにいて、完全にアメリカとアメリカ人を客観的に見ている。もし自分が日本にいて、今自分が彼女に対して思ったことを自分にも思えるか、と問われたらそれは難しい事だと思う。どこから知識や考えをかたどる情報を取ってくるのかがまず問題だし、その得た情報を噛み砕き、そして正しい判断を下せる倫理観も持っていなければいけない。自分の国の首脳がやっていることを客観的に見れる力というのはその具体的な例かと思う。多くの場合目に付きやすいからアメリカの悪いところばかり拾い上げてしまうのだが、僕はこの国が好きだし、ここにいられて幸せだと思うことがよくある。この国を好きだからこそ、これ以上悪い方向に転ばないでほしい。

ずいぶん甘味の理想論でした。

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