
Joseからnew year card が届いた。
日本通の彼とはNYーLondon間の飛行機で隣の席になったのがきっかけで友達になった。
飛行機を待っている列で、おっさんなのにかっこいい服装の人がいると思ったら、となりに座ってきたのがJoseだった。
僕 がギターを持っていたら、「友達とやってるバンドでギタリストを捜してるんだけど、どう?」なんて気さくに話しかけられて会話が始まったのだ。その後僕が 日本人だとわかったら、大の日本ファンの彼は大喜び。日本について、日本人について、日本文化について・・・もう目を輝かせてしゃべり始めた。キューバ出 身の彼はラテン系。やはりよくしゃべる。
ホセの英語はスパニッシュ訛りで、my crazy housemateクリス君を思い出させて懐かしかった。彼とはその後、結局イギリスに着くちょい前,彼の持っていた映画"2046"を一緒に見るまで しゃべり続けた。(もちろん、しゃべっていたのはもっぱら向こう。それでも、初対面でこれだけ話せたのは、あ、感覚的に近いものがあったのだと思う)
彼はNYCでグラフィックデザイナーをしているアーティストだ、と言っていた。今度は僕がそこに興味を持って質問し始めた。アーティストとして、アートとビジネスの関係をどう考えているか。
僕はアートそのものに関しては勝手な解釈しか持っていないが、アートとビジネスの関係についてはずっと意識しているから、彼の話にはもう夢中だった。
彼 は、「グラフィックデザインは自分に取ってアートではない」と言い切った。それは自分の生活の為にお金が絡むから、その時点でアートとは違ってしまってい る、と。それなら、「あなたにとってのアートって何?」と聞いてみたら、「それが何かは言えないし、見せる事もできない。僕の奥さんにはかろうじて見せて もいいくらいの、それくらいプライベートなものだよ」なんて言っていた。
逆に「君自身の、アートの定義は何?」と聞かれたので、「その人らしさ、その人となりが表れるもので、それがあるからその人らしい、というもの」と僕は答えた。そしたら、ホセの定義はこうだった。「それが無ければ死んでしまうもの。」
僕 は正直びっくりした。Sigur RosやRadioheadの音楽が本物だ、と思うのは、やっぱり彼らの心の叫びだとか、痛みがあるからなんだとおもっていた。確かにホセの言う通り、彼 らはあの音楽が無いと死んでしまうのかもしれないな、と思った。肉体的にではなくて、心が。音楽なしでは、彼らは生きる屍なのかもしれない。
このホセの決して彼自身で至った結論ではなくて、人から送られた本から得たそうだ。彼曰く、その本は僕の人生を変えたよ、と。だからその本をいつか君にも送ってあげるよ。と言ってくれた。この会話は強烈に心に残っている。
経済活動に従事する毎日の中で、人間として渇いてしまっているのではないかな、と思う最近。ホセとの会話を思い出したら「生きているヒトとしての喜び」みたいなものを得られる行き方を勝ち取っていかないとな、と思った。
あー懐かしいなぁ!!