今回ビンガムトンの町をcityからの帰りのバスから見た時は落胆が大きかった。
いつもは木と建物が半数くらいのこの町を見ると”田舎に帰ってきたなぁ”という軽い落胆と妙な落ち着きがあるんだけど。
この4泊5日は本当に楽しかった。
ふいにした夏休みを取り返せた、と思うくらい満喫できた一日一日だった。忙しい時間を割いて会ってくれた友達にただただ感謝!
8/18
バスで夕方3時半頃cityに着いて兄と待ち合わせる。待ち合わせ場所に来ない兄から電話があり、イーストビレッジまで行く事になる。
素敵なカフェに行って、ふうたさんと会う。不思議な雰囲気を持った、礼儀正しい人だ。きれいな目をしていた。またじっくり話をさせてもらいたいなぁ、と思う魅力的な人だ。
その後、荷物を舞さんのとこに置かせてもらってから街をふらふら。 St.Marksあたりを。レコード屋、古着屋を渡り歩く。久しぶりに会った兄は変わりない様子。
夜はIdaを見にKnitting Factoryへ行った。圧巻。今まで偏ったアーティストのライブやコンサートにしか行ったことが無かったし、Idaの曲をほとんど知らないで行ったけど本当によかった。一つ一つの音がしっかり聞こえて、更にそれぞれの音が重なったときに聞こえる音が素敵だった。女の人の声がきれいで、男のボーカルもきれいで。たまにコンサートやライブで思うけど、弾き方を知らない楽器から出る音を不思議に思う事がある。今回はバイオリンを弾くメンバーを見ていて、弾いている姿を見ながら、あれ、そんな音が出ているんだ、と思った。もちろんバイオリンの弾き方を知らないからどんな音がどうやったら出るか知らないのは当たり前だけど、なんというか・・・目の前で繰り広げられているステージとスピーカーから出てくる音が全く違うものに感じる。音は完璧だ。CDの音をそのまま流してるんじゃないの、というくらいきれいな音がステージ上で作られている。ただ、その作り方を知らないから見ている僕の頭は軽く混乱する。音は適度に壊れながら、気持ちよく進んでいった。 rock outした時は最高だった。下手なゴリ押しのロックバンドがrock outするよりも、音がきれいで基がしっかりしているからいい。狂ったギターが上で響くその下でアコーディオンが途切れる事なく鳴る。ドラムとベースが曲をしっかり支える。インストとしては今まで見た中で3本の指に入るくらい良かった。
帰りは舞さんのアパートまで歩いた。疲れて足も重かったけど、夜風が優しくて気持ちよかったし、単純に街を眺めながら歩ける事が贅沢だった。昼間の活気ある街じゃなくて休みについた街を歩いた。
その後は横町で飲んだ。はは。3時まで相手してもらって舞さんありがとう。ゆうととその後Queensのゆうとの家まで帰った。電車が使えなくなっていて、乗り換えさせられたりして、結局4時半頃ゆうと邸につく。5時頃まで話した。
8/19
親が兄に持たせてくれたあもを食べる。久しぶりの細やかな日本の味にため息。予想していなかった土産に親の心遣いを感じてありがたい。結局、Geordanの家に行く時間を延ばしてもらって、NYUの近くで兄と待ち合わせる。またSt.Marksあたりをぶらつく。始めてCityのオープンカフェに座った。ちょっと暑かったけど気持ちよかった。兄弟で話す時間だったわけだけど、そんな特に話す事があるわけではない。まぁ、話す時は話す事があるし、いくら会ってなくても話す事が無いのは男ならではなのかな。兄はあまり調子が良さそうではなかった。舞さんも兄も風邪を引いた様子。途中待ちぼうけ中に階段で座っていると、かなにばったり会った。彼氏のまさ君が髪の毛を切っている間ぶらぶらしているというからしばらく一緒にいた。会えないと思っていたから会えてうれしかった。Urban Outfitters で衝動買い。そして夜風が気持ちいい中、フルーツを本日二回目のオープンカフェでつまむ。ふむ。NYCを満喫している錯覚を味わったようでよい。
風邪でつらそうな兄と別れた後、LIRRに乗ってGeordanの家へ。彼の卒業パーティ以来だ。イタリアンアイスを途中食べてから、豪邸にお世話になる。しばらく英語を話していなかったせいで言葉が思うように出てこない。夜はHuntingtonに飲みにいった。前Chris, Jessとその友達と飲みにきたところだ。酔っ払っていい気分だった。Geordanは近くに友達がいなくてさびしい、Binghamtonのdowntownが懐かしいよな、なんて言っていた。僕も先セメ一緒に飲みにいったりサッカーをした友達が、もうこれから始まるセメスターにいないのはとてもさみしい。ビール一杯でバーを後にする。
8/20
ロングアイランドで過ごした一日。でも動き回った。Geordanのおかげだ。昼起きてからべーグル屋に行く。なかなかうまい。アラジンのランプみたいな形のビンをした変なコーヒー飲料を飲む。安い値段で店のコーヒーを飲めば良かった。近くのCD屋で迷った末、Dinosour Jr.とNo AlternativeというコンピレーションCD2枚を購入。二枚とも$3は安い。
その後はNorth Portの最近出来たというCD屋へ。ここの品揃えはおかしい。cityよりよかった。僕の好みにぴったりな品揃えなのだ。RockからIndie Rockまで品揃え豊富で、$1コーナーも美味しいコンピーレーションが沢山。調子に乗って6枚も購入。店でかかっていたGuided By Voicesのアルバムを買った。迷ったけど、結構安い値段だったしどうせいつかは買うとわかっていた。結局今回手に入れた9枚のCDの中で一番聞いているのがGBVだし。
North Portで桟橋を少し歩いてから古着屋、モールへ。その後寄ったピザ屋にびっくり。アメリカで始めて殺気立っている飲食店を見た。店員の”早くオーダーをくれ!”オーラがすごかった。日本の売れているラーメン屋とまさにそっくり。さすが一番うまいと言われるピザ屋だけある。味もよかった。こんなに店によって違うものか、と思うとびっくりだ。でも、これまた日本のラーメン屋と比べれば分かりやすい。飲んだ後食いにいくのが日本はラーメン屋、こっちはピザ。それくらいピザ屋が多くて、味もピンからキリまでなんだね。
食事をしたあとはどっかの学校で元チームメイトとボールを蹴る。残念ながら時間が時間で食べ物の消化よりもボールが見えなくなる方が早くて、すぐ引き上げる事になった。
帰宅後、用意をして昨晩と同じ店にのみに行く。IDを忘れた僕は昨晩入れてくれたガードがいることを願って行ったが、案の定違う男が僕を店に入れない。ここ以外の店は本当にIDが無いと入れてくれないのをわかっていたから、今晩どうするよ、となかば諦めかけた時、日本の学生証を見つける。駄目でもともと、21歳当時作った日本の学生証と今の学生証を見せて説明することに。もちろんバーのガードが日本語を読める分けないんだけど、話の分かりそうな兄ちゃんで、今まで行った事のあるバーの脳みそ筋肉タイプとは違ったようだ。たまたま通りかかったマネージャーに聞いて、彼はどうでもいいよ、ってな感じで「あー、入れて入れて」と。ういーーーっす!
勝利の美酒(はぁ?)は、シーバスリーガルをコーラで割る(しかもシーバス6のコーラ4)というなんとも贅沢な味。 疲れていたのか、シーバス半分で気持ち悪くなったわけです。 Geordanは先セメのうちら仲良かったグループの事で映画の台本を書こうと思っている、なんて言っていた。最初はそれで成功できるならみんな成功してるよ、と否定気味に適当に聞いていたけど、話を聞いていると、個人が楽しむにはまんざら悪くもなさそうな話だから応援しておいた。「これは全く自伝とかじゃないんだ。アメリカになじめないアメリカ人が5人のイギリス人とスペイン人、日本人留学生に会って時間を過ごす。それぞれ性格の濃い彼らと過ごして、彼らの存在を認めながら、結局アメリカ人として生きる事が自分に取ってしっくり自然で快適な事を発見する、って内容なんだ」とGeordan。おい、自伝っぽくないって思いっきり自伝っぽいじゃん、って思ったけど、アメリカ人学生の視点じゃなくて一人のイギリス人留学生の視点で書こうとしていると言っていたから、これはちょっと話の切り口が面白いかも、って思った。本当に映画になったら見てみたいし、どんな人が誰の役をやるのか興味津々だし! ・・・ってなんか高校生みたいなノリだよね。Geordanって渋い顔してる割には無垢なところがあって、そこが人につけこまれる所以なんだろうと思う。僕はそういう部分を見失ってなくて不器用に生きている彼に多いに共感しちゃうから、きっと仲いいんだろうと思う。お互い不器用なんだろうな。
8/21
NYC最後の日。Geordanの家でゆっくりさせてもらってから、夜キャンプの友達と会うために再びAstor Place、St.Marks界隈へ。本当にこの辺りは日本人が多いしにほんの店が多くて驚く。しかし、ここらに居酒屋を作るというアイデアは粋だと思う。
いずいず、よりこさん、れいなと会ってから大将へ。そこでみきが合流して、髪を切っているれいなが帰ってくるまでにゆうとが合流。結局れいなが帰ってくるまで5時間くらいそこにいたかな。飲み屋って本当に時間を忘れるよね。本当にあそこにいた時は日本にいたみたいだった。店員も客も日本人で、日本人以外がいるのが珍しい、っておかしいもん。NYCのどまんなかで。
そのあと、コーヒーを飲んでから磯田に合流。始めてエイジアンクラブ?というのに行った。カバー(入場料)に$20もするいい場所だ。中に入ると、これまた異様な雰囲気。中国系、韓国系の人が95%を占めている感じ。とても豪華な場所で、スニーカーしか無かった僕は靴を磯田に借りて入った。テキーラのショット一杯が$9もしてびっくり。。あとでバドワイザーを頼んだら一本$5ちょいで安いと思ったのはなぜでしょう。 しかし、いい場所にいてはしゃぐと、これまた気持ちいいのは面白い。普段踊るのが苦手な僕もテキーラで勢いをつけたせいか、しまいにはステージの上でついにエロダンスをしてしまった。 なんというか、アメリカのダンスって誤解を恐れずに言うとセックス一歩手前みたいなんだけど、それを普通に友達とやってしまう感覚が?という感じ。頭が?でもステージの上でそれを友達とやってしまう男のふがいなさ。楽しかったです。 まだ踊りたりないようー!という珍しいうずめきを持ちながらクラブを出る。夜はまだまだー!という3人の意見で車に乗った5人は、Jones Beachへ。本当にマンハッタンから砂浜へ。
窓を開けると塩のにおいが嗅げるところまできて、本当に来たと実感。海岸まで歩いて、海が見えたから走った。
海にいる間、とにかく走って、叫んだ。酔いも手伝って、やりたい放題。叫んで、走って、寝転んで。また叫んで走って、寝転んで。これほど魂が解放された瞬間は久しぶりだった! 結局みんなジーンズがずぶぬれで、僕がこの4泊5日苦労して運んだ荷物は着替えを提供するという形で役に立つ時が来たのでした。yay!海を後にしてQueensまでれいなとゆうとを送る。喉がかれて、疲れてたけど最高に気持ちよかった。 夜は磯田かみきか、どっちかのいびきに悩まされて1時間くらい眠れなかった。
8/22
ついに田舎に帰る日が来てしまった。帰りたくなかった。磯田邸で3時頃みんな起きる。起きてから朝食(?)ごはんを食べにメキシコ料理屋へ。そういえば今までタコベルくらいしかメキシカンの店に行った事の無かった僕は味がうまくてひたすら感動。どうしてこう、都会の中心部に近い場所と田舎では食べ物の味、人の意識、細かいようだけど女の人の化粧とかさ、全然違うんだろ。慌てて飛び乗って間に合った帰りのバスで、マンハッタンを出た後に泊まった中間地点でそれを肌で実感。バス停につめている20代くらいの若い人が、田舎特有の味気ない化粧をしていた。顔もつまらなそうで、うたた寝から醒めた僕はその瞬間に都会から帰ってきた事を実感。さっきまで友達と一緒にいて味わっていた、自分もあの都会の空気でやっていけそうな、そんな夢心地の雰囲気をまったく覆されてしまうような、田舎の空気を実感。cityから3,4時間車で走るだけで、時が5年、10年は遅れているんじゃないか、と思わされてしまう。
そんな訳で今回は大きな落胆を感じつつのホームフィールドへの帰還だったわけです。でも、それはひとときのことで。この4泊5日の休みのおかげでサマーセッションからの区切りがついたし、休みを満喫した!と感じれたから晴れて新学期を迎えられそうな気分。
この5日間で、どっぷりGuided By Voicesにはまる。ただのかっこよさじゃなくて、自分のペースに合ってると思ってしまうこのバンドは、これから相当長く付き合うだろうことになることを予感。本当にかっこいいんだって。